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SNSを上手に使うのは、難しい

佐々木俊尚×松井博 グローバル化と幸福の怪しい関係(7):
 「SNS、うまく使えないなあ」と悩んでいる人も多いのでは。とんでもないことを書いているのを見て、おいおいと思ったことがあったり、逆に書いてしまって、ちょっとした騒ぎになったり。上手に使っている人は、まだ少ないのかもしれない。



●SNSの使い方

佐々木:「トーキョーよるヒルズ」というシェアハウスを運営している人たちが、ちょっと話題になっています。これは六本木にあるシェアハウスで、運営に携わっている高木新平さんにシェアハウスのことを聞く機会がありました。どのように運営しているのかなどを聞いたところ、3LDKの家に5〜6人が雑魚寝していると言っていました。

 入れ替わりは頻繁にあるそうなのですが、新しい人をどのように評価しているのか。ヘンな人かもしれないし、危ない人かもしれない。または部屋を汚す人かもしれないし、家賃を支払わない人かもしれない。どのようにして人を見極めるのかを聞いたところ、「それはFacebookやTwitterをちゃんと見ていれば、どんな人かがだいたい分かる」と言っていました。通っている大学や働いている会社などよりも、そっちの方がずっと安心できるようですね。

松井:企業の採用担当者もとりあえず履歴書を見て、次にLinkedInやFacebookなどをチェックする人が増えてきているのではないでしょうか。

佐々木:ある程度それで人間性などが推し量れますよね。

松井:とんでもないことが書かれていたりすると、おいおいってなりますよね(笑)。

佐々木:毎晩、酔っぱらっている写真が載っていたりとか(笑)。

松井:後先のことを考えずに、Facebookにいろいろアップする人がいますが、就職や転職のタイミングではどうするのでしょうか。特に恥ずかしい過去が形成されている人は……(笑)。

佐々木:しかもあのタイムラインが、その人の人生すべてが見えるような感じもします。これから生まれてくる子どもは、幼少の頃から全部分かってしまいますよね。

松井:学校では「あまり恥ずかしいものは載せるな」といった教育も必要になってくるかもしれませんね。

佐々木:かといって、あまり品行方正だと面白くない(笑)。

松井:それはそうですね(笑)。

●Google+が始まったとき

佐々木:Facebook批判でよく言われるのは、週末になれば家族サービスやおいしいモノ食べたといった内容ばかりで、面白くないと。リア充っぽいことばかり書かないでくれと。

松井:「いいね!」としか言いようがない内容ばかりですものね。「お前、本当は楽しくなかったろう?」とも書けないし(笑)。

佐々木:「夏休みに、家族で東京ディズニーランドへ行った。でも何時間も待たされて、疲れた」とはなかなか書けないですよね(笑)。

松井:「残念ですね!」というボタンもないですし。Facebookで思い出したのですが、米国人ってよせばいいのに、政治ネタを書く人がいるんですよ。しかもかなりの数で。

 例えばコロラド州で銃の射撃事件が起きましたが、「銃に反対なのか? 賛成なのか?」といった内容を書く。劇場の中の皆が銃を持っていたら、あいつは撃ち殺されていて、あんな事件は起きなかっただろうっていう派と、そんなトレーニングをちゃんと受けていない奴がみんな銃を持っていたらもっと大変だという派がいました。しかも、ものすごく真剣に議論をしているんですよ。

 日本では、このような議論が好きな人はあまりいません。もし誰かが書いていても、見なかったふりをしてしまう。

佐々木:確かに。そういう論争を考えた時に、それを楽しめるかどうかというのは、非常に大切ですね。なかなか日本は論争を楽しめないというか、必ずケンカになってしまう。ケンカになるのが分かっているので、とりあえず近寄らないようにしよう、といった感じになりますよね。

松井:米国人のやりとりを読んでいて、なかなか面白いんですよ。「なるほど。こういう考え方もあるのか」といった感じで。

佐々木:Google+が始まったときに、最初の数カ月間はGoogle+上で楽しい議論がありました。人数が少なくて、コアなネットユーザーしかいなかったので。しかしだんだん人が増えてくるとノイズが増えていって、そのノイズが嫌な人たちがどんどん退場していって、ノイズしか残らなくなった。そして最後は誰もいなくなる……。

松井:Myspaceがそうでしたね。

佐々木:ですね。Facebookもクローズにしていればいいんだけど、オープンでフィード購読もOKにしていると、誰でも書き込めてしまう。そうすると、何も省みずにわけの分からないことを書き込む人がたくさん現れる。そうするとだんだん、今までそこで議論に参加していた人が、「こういう人がいるんだったらいいや」と引いてしまう。それでも求心力を高めて議論の場にしていくにはどうしたらいいんだろうって、よく考えているんですが、いまのところいいアイデアがありません。かといっていつまでも、数百人のクローズドな仲間内の場だけで議論していても発展性がないですよね。

●世界がフラット化する

松井:最近は、ちょっとした英語ブームが起きています。こうした状況をどのように感じられますか?

佐々木:私はあまり英語が得意ではないので、英語ができる人がうらやましいですね。これからのことを考えれば、やはり英語は身につけないといけないのではないでしょうか。

 世界がフラット化して、仕事がどんどん海外へ流れていく状況で、収入が減っていく人は半分以上になると思っています。

松井:ですね。

佐々木:その世界の人たちって、座して死を待つか、海外へ行くしか方法がありません。こうした状況になるのは予想されるので、いまから英語を勉強しておくほうがいいと思うんですよ。

松井:私は勉強はできませんでしたが、英語が世界を開いてくれました。たまたまコンピュータがものすごく好きで、英語ができるようになって……。振り返ってみれば、時代にマッチしていただけ。

 自分の子どもにもできるだけ早く英語を話せるようになって欲しいなあと思って、米国移住を決めた大きな要因ひとつでした。するとそこに選択肢はなかったんですね。英語はやるしかない、という選択肢しか。

佐々木:書く仕事はローカルなわけですが、グローバルにフラット化しない仕事も一定数あるんですよね。元日経新聞の記者でMyNewsJapanの渡邊正裕さんが書かれた『10年後に食える仕事、食えない仕事』(東洋経済新報社)という本がありますが、読んでみて「なるほどなあ」と思うことが書かれていました。そこには日本国内のマーケットリサーチャーや弁護士、医者、ライターといった仕事はグローバル化しないと。

松井:絶対にローカルニーズがありますから。

佐々木:海外で代替可能な仕事というのは、かつてはブルーカラーだけだったのに、いまではホワイトカワーにも増えてきた。しかもかなりコアな部分にまで。

 中国では技術力がかなり上がっていて、R&D(開発や研究など)まで中国でできるようになってきました。そうなれば、日本人の仕事がどんどんなくなってしまう。

松井:日本で何をすればいいのか、といった話になりますよね。

佐々木:そうは言ってもまだマダラ模様といった状況で、すべての国や地域がフラット化されるのは100年とか200年とか先の話ではないでしょうか。移行期が長く続くと思うのですが、その混乱の中で、海外のほうが仕事がたくさんあるという状況は変わらないでしょう。(つづく)

[土肥義則,Business Media 誠]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120924-00000032-zdn_mkt-ind
※この記事の著作権は配信元に帰属します。



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